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2013年1月17日木曜日

季節に合った音楽。

寒い毎日が続いていますが、いかがお過ごしですか?

昨年の暮れから現在まで、何かと忙しい毎日ですが、少しでもリラックスした時間を見つけて過ごしたいものです。

お店に飾っているレコードの紹介も、忙しさにかまけて遅れおくれになっていますが、重い腰を上げて、やってみたいと思います。

昨年11月から今年1月までに飾っていたものを一挙紹介。


RCの3rdオリジナル盤



















まずは、秋になると聴きたい曲No.1「甲州街道はもう秋なのさ」収録。忌野清志郎率いるRCサクセションの3枚目のアルバム『シングルマン』です。

まだフォークトリオだった頃の傑作で、清志郎の青春が目一杯詰まっているエヴァーグリーンな名盤です。

超名曲「スローバラード」の他、「ヒッピーに捧ぐ」や「やさしさ」など、どれも他の音楽とにたものが無く、まさにオリジナルな世界観を持っています。

しかし、実際には発売後、約半年ほどで廃盤になるという悲運に見舞われ、5年後に有志による再発要請運動があるまで正当な評価がされなかったと聞きます。

今聞いてみても、どの部分にも隙がなく、3人の音楽に対する真摯な態度をストレートに感じる事が出来ます。

日本のポップミュージックの最重要作品。静かなこの季節に体験してみてはどうでしょうか?



ジョンの2nd英アップル盤。



















12月は、季節柄お店でもクリスマスの音楽を流していましたが、この月はやはりどうしてもジョンの事を思い出す月でもあります。

ビートルズを解散してから発表した、ジョンのソロ名義での2作目が’71年発表の『イマジン』です。

その前年に発表された1枚目『ジョンの魂』は、一切の装飾を取り除いた究極のシンプルロックでしたが、2作目では多少の心理的変化が見られ、グランドピアノの複雑な音色に彩られ、ずいぶん優しい印象を受けます。

今や、ビートルズの音楽以上に有名になった「イマジン」ですが、アルバムに収録されている他の曲からは、もっと切羽詰まった感情が感じられます。

孤独やマスメディアへの不信やポールへの嫉妬など、全世界の誰もが抱えている感情が丸裸にされたまま置き去りにされて行くような印象を受けます。

世界で最も有名なロックミュージシャンが、「僕も君と一緒だよ」と訴えかけているその姿勢に、20歳頃感動し、夢中になっていたのを思い出します。

誰にとっても特別なものになります。歌詞カードを片手に、ぜひ一人で聞いてもらいたいです。


永遠の謎盤『スマイル』!



















お正月は、明るく行きたいと思い、コレクションの中から選んだジャケットがビーチ・ボーイズの’67年に出るはずだった幻盤『スマイル』です。

当時ジャケットの、印刷まで完了していたにも関わらず、当時の薬物使用環境から肝心の中身が完成せずお蔵入りになっていた音源が2011年になってブライアン・ウィルソン本人によって再編集され、一つの形になって発表されました。

それまでは44年もの間、マニア達に「僕の想像するスマイル」を数えきれないほど作成させた罪深い名盤です。

発表されたときは、全世界で「答え合わせ」が繰り広げられたと聞きます。

しかし、’67年の当時の精神状態で編集されたものでは無いため、それも「模範解答」という扱いに至っています。

しかし、そういった経緯を何も知らなくても、音楽として普遍的な美しさがあり、どんな年代の方にも楽しめる内容になっています。

ジャンルはロックなのですが、賛美歌に一番接近したロックミュージックと言えるかもしれません。

レコーディングに約半年かかったと言われる世紀の奇曲「グッド・ヴァイブレーションズ」も最高の音質で味わう事が出来ます。


昨年、開店の準備をしていた頃、お店のエントランスのデザインの一つのモデルとして考えていたのが、このジャケットに描かれている「くちびる」を売る素敵なショップでした。
そんな意味でも、自分にとって思い入れが沢山ある特別なレコードです。

これもまた、一人で夜中に聞きたい音楽の決定版です。

リラックスした格好でどうぞ。


今年もずっとやっていきますので、来店のひとつの楽しみにしていただければとおもいます。


和英